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システム・シンキン
グ
―何を望むのか?―
学籍番号:8602180
氏名:野原 将史
提出日:6月28日
1.はじめに
今私のゼミは危機的状況に陥っ
ている。それは、プレゼンテーションや発表時のゼミ全体の雰囲気が暗く、各自に積極性や自発性が感じられない状況である。これを読む前に私は、ゼミをシス
テムとは思っていなかった。ゼミというものは自主性がベースであって、一人欠けることになったとしても、ゼミとしては影響しない。私が思うゼミはむしろ私
たちが興味あるものを探求するための道具に近いと考えるからである。今回システム・シンキングを読んで私は、ゼミをシステムと捉えたときにどのようにすれ
ば円滑に、そして効率よくゼミを行なうことができるかを考えていく。
2.今のゼミは本当にシステムといえるか?
「システムとは互いに関係しあ
う構成要素の集まりである。」(アンダーソン、2001、pp16)とあるがシステムを理解しておくために簡単にその特徴をまとめると、構成要素の存在は
重大でなければならない。そしてシステムはより大きなシステムの構成要素であり、またシステムは安定を保つ機能が備えられている。
では、今のゼミはどうであろう
か?システムをゼミと考えると構成要素は教室や情報、ゼミ生徒などであろう。しかし、正直、今自分がゼミから抜けたとしても大きな影響は起こらない。つま
りこれは各人が最大限の特徴(機能)を働かしていないことと言える。具体的に言うと、他人をあてにする行為や沈黙である。システムは各要素の特徴で形作る
ものであり、構成要素の一つが手を抜いたり、サボってしまうとシステムに悪影響を及ぼすのである。しかし、システムには安定を保つ機能がある。構成要素に
よる悪影響や、システムの進路の間違いを正しい方向に戻す機能がこれである。
仮に、私がゼミに悪影響を与えて
いたり、ゼミ自体が弛みそうになっても、全体の目標や理想がそれに歯止めをかけ元に戻すのである。
3.フィードバック機能の注意点
システムの多くの結果は時間を
経てフィードバックされる、今回のゼミもその一つである。しかし、私たちはすぐに効果を望む傾向がある。熱冷ましの薬を飲んですぐに熱が下がること期待す
るように、システムに対しても結果をすぐに期待する。つまりこれは先の見えない投資をするようなものであり、結果として投資家は消極的になる。これは小さ
い範囲でしか因果ループを見ていない状況といえる。
ゼミというものはテストに出るよ
うな問題を解くものではない、暗記をするものでもない。
結果は将来に価値を生むのであ
る。しかし、私たちは、テスト前に一夜漬けをするように、処理し、その効果を期待している。そして、すぐに効果が現れないと各自のモチベーションも徐々に
下がり、そしてゼミの価値を下げているのである。言わば悪循環である。私たちは間隔広いフィードバックに注意していく必要がある。
4.時系列、
因果ループでゼミを捉える
《因果ループ》
ゼミのクオリティー ⇔ ゼミ生の積極性
↑
理想のゼミの姿(バランスループ)
簡単にゼミの問題を因果ループ
で書くとこのようになる。ゼミ生が積極性をあげれば、ゼミのクオリティーは自然とあがってくる。そしてゼミの質が上がることでさらに、ゼミ生は積極的にな
る。このような循環でできている。今のゼミはこの逆の現象が起きている。システムというものは、前述した通りに安定を保つ機能を備えている。
ではなぜ、全体が立ち直らないの
か?
ここでの問題はバランスループに
あると考える。
バランスループを「動かす」の
は、目標と実際のレベルとのギャップである。(アンダーソン、2001、pp84)理論上では目標が高いほどバランスループの働きが大きくなるというわけである。私たち
は、ゼミに期待することは人によって違い、水準の高いものを望むもの、楽をしたいものと様々である。では私のゼミは後者の意見の人が多く、理想と現実の
ギャップが小さいということであろうか?
答えはNOである。私の周辺の人達は協
力的であるし、努力もしている。原因はありのままの状態を受け入れる体質にあると考える。
5.バランスループを抑制するもの
慣れた集団の中の個人は過去の
経験や、他人の行動に影響されやすい。過去の経験の抑制は、例えば「今日も1時間勉強したから安心だ。」と感じる。しかし高校1年生と高校3年生(受験生)ではこの1時間
の価値は大きく違う。私たちは常にリニューアルされていく必要がある。しかし、去年経験したことで安心してしまうという抑制が働いている現状にある。これ
はシステムの外部環境の変化の認識する重要性を示している。外部環境が変わればシステムの目的も変化しなければ時代遅れなのである。
抑制にはもう一つある。それは他
人のリアクションで個人は大きく変化することである。妥協のあるプレゼンを行なったとする、そしてその周りは日本人に多い遠慮により欠点の指摘や批判は余
り行なわれない。結果、この程度で平気という安易な考えが生まれ、抑制をするのである。ありのままの状態を受け入れると言うことは、場を丸く治めるという
考えが原因である。このことが妥協の精神を成長させ、バランスループの働きを抑えることとなるのである。
システムは言わば構成要素自身で
ある。構成要素の自分が影響を与えるように、他の構成要素も影響を与えると捉える考えが大切である。そのことが各構成要素の責任感や注意の意味を生むから
ある。
6.結論
私がシステムで重要と感じた3
つのこと。
@目標設定の明確化と固い意志
目標設定はバランスループを機能
させるのにも重要な役割を担っている。また目標が明確なことで構成要素は効率のよい作業を行なうことができる。各自が何を望むのかを常に考えていくことが
問題解決の糸口である。
バランスループの働きには2つあ
る。理想と現実のギャップを埋めるために現実のレベルを高める方法と、理想を下げることである。私はレベルを下げることのできる目標は意味を成さないと考
える。多様に変更できる目標は私たちは自分に甘くさせることになる。目標は絶対的であることが構成要素の意識の統一や向上に繋がるからである。
A構成要素の役割認識及び影響の自覚
「自分自身が問題の原因」この考
えが重要である。自分が必要とされることは、モチベーションを上げるにも効果がある。それには自分の役割を認識するそして自分がシステムに影響を与えるこ
とのできる立場であることを自覚することが大切である。
Bシステムは構成要素の集まりである
システムは一人では変える事ができない。システムは複数の構成要素から成り立っている。
そのため注意の必要性の確認や他の構成要素への考慮も必要とされる。構成要素一つが改善されるよりもシステム全体が修正した方がより大きな影響を外部に与
えることができるからである。
以上のことを意識していくこと
が、ゼミをシステムと捉えた時に必要とされる考えであると私は思う。
参考文献
システム・シンキング
バージニア・アンダーソン/ローレン・ジョンソン 著
伊藤武志 訳
日本能率協会マネジメントセンター
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